プラチナナースが人手不足の医療業界を救う

看護師なしに医療現場は回らないのに、医療費の適正化で診療報酬が減った多くの病院が真っ先に行ったのは、看護人材の削減や減給だったそうです。看護師の賃金などの処遇が不十分では、若者や子育て世代など若い看護師の人手不足はますます加速するばかりでしょう。
そこで重要なのが、離職中の看護師の活用です。例えば、年齢を重ねても熟練した技術と経験を生かし活躍する、プラチナナースと呼ばれる60歳以上の看護師の活用が注目を集めています。定年退職後の世代なので、賃金よりも生きがいに重点を置き、訪問看護や新生児訪問など幅広い分野で活躍しています。

まずは、80歳の年齢で訪問看護師を続けている女性についてです。
定年退職後、自ら訪問看護ステーションを設立し、精神科での勤務経験を生かしながら、精神科の患者を中心に50人以上を受け入れています。患者の目線や会話内容などから、症状が安定しているか気を配りながら看護を行っているそうです。

次に紹介するのは、自治体からの委託を受けて、訪問指導員として新生児訪問を行っている74歳の女性です。
これまでに担当した赤ちゃんは3000人近くに上り、新生児を育てる母親にとって頼もしい存在になっているようです。訪問指導員の定年である76歳まで、新たな現場でも貢献したいと意気込みを語っています。

このように医療の現場で輝きを放つシニア世代は、今後も増えていくことでしょう。国の施策としても、看護師が離職中も知識や技術を維持向上し、迅速に職場に復帰できる資格管理体制が求められます。